2012 best album part2 06

2012 best album part2 06

FRANCESCO TRISTANO

901912_Gクラシックのなかでも個人的に好きなのは室内楽曲のひとつである単一のピアノ独奏による、あるいは複数楽章から成る奏鳴曲と言われるソナタと、劇的なむきだしの感情表現を特徴としたバロックで、BachとBuxtehudeへのオマージュ作品であるFrancesco Tristanoの「 Long Walk 」からは、そのぼくの好きな2つの世界が聴こえてきて、70年代後半のロックの時代に少しばかり聴いていたクラシックへの回顧が再び蘇って来て、2013年先端音楽にも垣間見えるバロック時代の思想の底を流れている神との合一を求める中世神秘主義や、日常生活における霊的体験を重視するルター派敬虔主義の成立に大きな影響を及ぼしたというバロックを、もう一度手許に引き寄せて勉強したいし、しなければならないなと感じた。アイスランドのチェロ奏者Hildur Gudnadottirの「 without sinking 」にみられるポストロックとしてのモダンクラシカルも熟し始めているいま、80年代ロックの時代に握りしめた歪んだ真珠の光りは、いまもぼくの手のひらにある。バロックを代表するバッハについてはここで書くのは省略するが、ディートリヒ・ブクステフーデについては、いままでまるで無知だった。ウィキペディアによると「 ディートリヒ・ブクステフーデ( Dieterich Buxtehude, 1637年頃-1707年5月9日 ) は、17世紀北ドイツおよびバルト海沿岸地域、プロイセンを代表する作曲家・オルガニストである。声楽作品においては、バロック期ドイツの教会カンタータの形成に貢献する一方、オルガン音楽においては、ヤン・ピーテルスゾーン・スウェーリンクに端を発する北ドイツ・オルガン楽派の最大の巨匠であり、その即興的・主情的な作風はスティルス・ファンタスティクス(幻想様式)の典型とされている 」。

Buxtehude Toccata BuxWV 165 Choral BuxWV 208 Hanssen Organ

ブクステフーデの現存する約120曲の声楽曲は、多くがプロテスタント教会のための宗教曲だといわれ、当時、教会とともにあったこうした音楽に、なぜまた惹き付けられるのだろう。それはきっとぼくのポテンシャルな原体験/刻印としての、毎週日曜日、母に連れられて近くのバプテスト教会に行き、小学校6年生の時に礼拝堂にあるプールに沈められ洗礼を受けたからだろうか。 バロックを聴いていると、必ずと言っていいほどピーテル・ブリューゲル(Pieter Bruegel de Oude ) の16世紀のネーデルランドにおける約90種類の子供たちの遊戯が描かれた「 子供の遊戯 」や、ヒエロニムス・ボス(Hieronymus Bosch ) の貝殻人間、怪鳥などが登場する怪奇な「エデンの園」や「地獄」、現世の無数の裸の男女が様々な快楽に耽っている三連祭壇画「 快楽の園 」のイメージが思い浮かぶ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ピーテル・ブリューゲル

http://ja.wikipedia.org/wiki/ヒエロニムス・ボス

Long Walk-01FRANCESCO TRISTANO / LONG WALK   Deutsche Grammophon ‎– 476 5003

piano – Francesco Tristano edited, mixed by Christoph Frommen* (tracks: 1 to 6, 8, 9), Francesco Tristano producer – Francesco Tristano, Yuichi Murakami technician [piano] – Noriyuki Soga production Manager – Felix Mesenburg engineer, recorded by Christoph Fromme mastered by Götz-Michael Rieth recorded at Kyoto Concert Hall piano: Yamaha CFX artwork – Aidin Zimmermann, Floor 5, Laura Wiederhold, Marek Polewski photography by Aymeric Giraudel **”LONG WALK Francesco Tristano plays Buxtehude Bach Tristano”

Francesco Tristano: Long Walk / Music Clip – Dietrich Buxtehude: Canzona

「 Long Walk 」は京都コンサートホールでレコーディングされ、Yamaha CFXグランドピアノを12個のマイクを使ってキャプチャーされているという。この作品はFrancescoが最も影響を受けた2人の作曲家Johann Sebastian BachとDietrich Buxtehudeへのオマージュ。このアルバム最後の収録曲「Goround Bass 」が、Brandt Brauer FrickとKirk Degiorgioをフィーチャーし12インチ「 Ground Bass Remixes 」( Deutsche Grammophon / 002894810015 )として、つい先日発売されたばかりだ。しかし個人的には2011年に同レーベルから発売されたMoritz Von OswaldとLawrenceによるリミックス「 bach Cage 」は、バッハとジョン・ケージに挑んだ問題作で圧巻だった。クラブ・ミュージックとクラシック・ミュージックを自由に横断するFrancesco Tristanoの才能は計り知れない。他にパリとリヨン、ベルリンをベースに活動するInfiné レーベルから2010年 「 Idiosynkrasia 」、 「Idiosynkrasia EP 」などの作品を発表している。

2013 1/22

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